Garmin Zumo カスタムルートで バイク旅

Garmin BaseCamp Zumo ツーリングルート作りマニュアル

 

    浜の真砂は尽きるとも、世界に ぬすびと国 の種は尽きまじ。 
                                      
日本には「浜の真砂は尽きるとも、世にぬすびとの種は尽きまじ」ということわざがある。(海辺に無数にある砂がなくなっても、世の中に泥棒がいなくなることは無いという意味だが)
これを地球上にあてはめれば、他国を盗もうとする国家と指導者は、いつの世にもいなくならないということで、それは世界の長い歴史が証明している。
だからどの国もその泥棒に自国を盗まれないために軍隊を持っている。                                     

2022年2月24日 ロシア軍が突如ウクライナに攻め込み侵略を始めた。ウクライナでは民間人が多数殺害され、多くの都市が瓦礫と化した。
このような犯罪のようなことが、21世紀の現代でも本当に起きるのかと、平和な日本人をはじめ世界の人々は驚いた。私の家族や周りの人の中には、 「こんな事が許されるの? 法律で取り締まれないの?」と不思議がった。平和な日本人らしい実感だが残念ながら侵略戦争を取り締まるのは不可能なのだ この文書はこの疑問を持っている人のために書いた                                       

当然のことだが「世界のどの国も国内の治安維持や犯罪防止のために法律があり、警察と裁判所がある。しかし国際的な国家同士の関係では、上記のような 拘束力を持った仕組みは無い。
現在、国際法や国際裁判所、国際連合があっても、できることは非常に限定的で、他国を侵略した国を国際法にはかり侵略戦争をやめさせることはできない。
                                       
   「国連は機能していない」。
第2次世界大戦が終わった1945年、上記のような侵略的戦争、例えばヒトラーが ポーランドに侵攻して始めた戦争が、今後も起った場合、これを取り締まる目的で国際連合(国連)ができたが、第2次大戦が終わって80年近いが、この目的が達成されたことはほぼ無い。なぜなら国連には「常任理事国」という、「拒否権」を持った5つの国があるのだが、侵略を犯した当の国がこの常任理事国である場合に問題が出るからだ。これを
一国内の裁判に例えれば驚くべき事だが、当の犯罪者(泥棒)が裁判所の裁判官の中におり、自分や仲間に罰を与える判決に反対・拒否する、ということが可能なのだ。
国連の常任理事国とは第二次世界大戦戦勝国の米、英、仏、ロ、中国の5カ国で、
常任理事国のうち1カ国でも、戦争をやめさせる国連決議に拒否権を使って反対するとその国連決議は通らない。「国連は機能していない」、といわれる所以だ。ロシアと中国はしばしば拒否権を使う。正義の味方ではないのだ。

平和な時代は世界の国々や指導者がそれぞれ皆 紳士のようにふるまい?今回のようにロシアが 「ウクライナを我がものにしたい」 と、企んでいるようには見えない。だから 善良で平和の国ほど、国民、マスコミ、政治家までが、「あの国がまさかそこまではしないでしょう!」と言う。(戦後の平和日本はその典型。相手国の「善意に期待する」? ぬすびと国に善意など無い。)侵略国はチャンスがあれば侵略戦争で他国を盗みに行く。     人類の歴史はこのような弱肉強食の繰り返しなのだ。

 

次にその歴史上の例を記す。
第1次世界大戦(1912年ー1918年)は重工業が発展した結果としての、それまでとはまったく違う兵器を使用しての壮絶な大戦争であった。戦争が終わったとき、戦勝国であったイギリスやフランスを中心とした側も、敗戦国のドイツを中心とした側も、「もう戦争はこりごり」、と国民はもちろん 為政者までが心から思い、「平和主義の思想」がヨーロッパ各国に拡がった。これに反対するような意見は庶民はもちろん、政治家でも口にできない雰囲気になった。まるで戦後の日本のよう。
その後ドイツで政権を取ったヒトラーが徐々に力を増し、少しずつベルサイユ条約に違反し軍備を拡張してきた。ヒトラーは、弱気の平和主義になったヨーロッパ諸国の 見て見ぬふりの様子を伺いながら、 最初は英仏にビクビクしながら、その後は大胆に堂々と、軍隊を配置、増強して、1939年9月1日に突然ポーランドに侵攻、第2次大戦が始まった。もう戦争は懲りたはずの第1次大戦終了からたった21年後のことであった。上記ヨーロッパで普及した「平和主義」という言葉は美しい。誰もが否定すべきでないと思ってしまう。だがこの美しい言葉は、侵略国家が侵略戦争を決断するチャンスになるのだ。
                            上記青色文字は 小室 直樹 著「国民のための戦争と平和」を参照した。

 

日本が起こした戦争とアメリカの 日本国占領政策
日本は大東亜戦争(太平洋戦争)に敗戦後、アメリカに6年間占領された。この6年間は日本は独立国ではなく、占領軍(連合国軍総司令部:GHQ)の政策下で国家運営された。
                                        
昔からアメリカをはじめ西欧諸国は、明治以降の日本をとても不気味に思っていた。
なぜなら彼らにしてみれば、日本という国が250年もの間 世界との交流を遮断した鎖国の国で、欧米先進国より文明的、経済的、科学的に100年以上も遅れた弱小国であるはずなのに、日本が開国(1868年)からたった数十年で、当時世界の大国であった清国(中国)とロシア帝国との 戦争(日清戦争 明治27年)(日露戦争明治37年)に勝利し、日本の急成長と強さで世界を驚かせたこと、さらにその後も強大な国家に発展し続け、世界でも上位の強大な軍隊を持ち、中国に侵攻し、米・英に戦線布告して戦争を始めたことなど、異常な早さの国力の発展に、「不気味な民族」との恐怖感や嫌悪感をもっていた。その<恐怖感や嫌悪感>は日本の軍部や政治に対してだけではなく、日本人の死をも恐れない精神性、天皇神道への忠誠心、勤勉性や、礼儀正しさ、識字率など教育レベルの高さ、などまでがその異常性の対象に含まれる。
  
   しかし上記の白人から見ての日本の発展は、日本の長い歴史、特に260年も内戦の無い江戸                             時代で培われた武士の精神、国民の勤勉、文化、であり、日本人の長所でもあったのだ。
      例えば、明治以降に日本人が移民としてアメリカや南米に渡った時、現地住民と比較して勤勉                  性や識字率など教育水準が高く、得体が知れないと恐れられたり ねたまれたり、それが故に                      迫害もされ、場合によっては尊敬もされたりしたものであった。
   
    また開国後の明治時代には欧米先進国から数多くの識者が日本に訪れたが、多くの人が遅れた                   国であるはずの日本や国民の優れた部分(勤勉、正直、礼儀、文化、教育水準など)に驚き                    感動した。その優れたものは間違いなく日本の歴史で培われたものだった。その人達が書いた                   書物も多く残っている。

            日本人が得体の知れない不気味な民族と決めつけられたのは、そもそも欧米とは長い歴史も  
          それによる文化も違っていただけで、有色人種に対する白人優越主義の偏見でもあったのだ。

しかし、それでも、アメリカは占領政策の中で彼らが思う上記の 日本の気味の悪いほどの特殊な?体制や国民性を徹底して壊す占領政策をとった。

 

アメリカによって与えられた 「平和憲法」。  
アメリカ占領軍の日本の改革では、まずは二度と日本が戦争を起こせないよう、戦力をまったく持たない国にした。つまりアメリカが指導して作った新しい日本国憲法、俗に言う「平和憲法」に「戦力は保持しない」と明記させた。ダグラス マッカーサーの指示による GHQ草案。
  戦勝国が、敗戦国に対してこのように武力を一切持たせないという事は歴史的に異例なことで、            ドイツが敗戦した第一次大戦後とヒトラーの第2次大戦敗戦後も、ドイツに対してはまったく戦力を            持たせないとまでは指導しなかった。それくらいアメリカは日本を不気味な国家と思ったのだ

 

だが終戦から5年後の1950年に朝鮮戦争が勃発、ソ連や中国の共産主義陣営が隆盛することを恐れたアメリカは、日本にも軍隊を持つよう指導して警察予備隊,のちの自衛隊が発足した。まあアメリカの都合の良い方針転換だが、軍隊を持たない国、という理想はすぐに取り消された。だが国際的に異例な「戦力を保持しない憲法」は,今もそのままだ。
アメリカは日本の戦後の学校教育にも様々な制約と指導を行ったし、マスコミに対しても指導した。アメリカは日本の精神性を無くすために古い書物の焚書までもした。

 

このようなアメリカの占領政策が功を奏して?、日本と日本国民は良い意味でも悪い 意味でも戦争前とは異なる国家、国民性になってしまった。
しかしアメリカと同じ戦勝国であったソ連に部分占領された朝鮮やドイツのように  国を分断されたり、また東欧諸国のようにソ連傘下の共産主義国家になって国民が苦難の道を歩むことを日本が避けられたことは まだ良かった。日本の敗戦の時、ソ連が 北海道の北半分をソ連領としたいと要求したことも事実だった。(1991年 ソ連崩壊)

 

   日本の戦後復興、 
日本は確かに明治からの富国強兵が成功し、国家も国民も発展し自信を持ったが、昭和のはじめ頃から軍部の力が強大になり、結果として政治の力が低下し軍国主義の国となった。中国に侵攻し国際連盟から脱退し、国際社会から制裁され、資源確保も難しくなり、無謀な戦争へと進んで敗戦した。

だが日本は、敗戦後まもなく瓦礫と化した国土から驚異的に復興し、敗戦から30数年後の1980年代にはアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国になった。この発展は明治維新後の急速な発展を、またも再現したわけであり、先にも述べた日本の歴史に培われた日本人の長所が再度発揮された時代であった。  戦後の日本は日米安全保障条約で外敵から侵略されることもなく、平和な時代を過ごすこともできた。


戦後日本を占領した国が民主主義国家アメリカであったから実現できたのであり、
占領軍がソ連のような国でなかっとことに日本人は感謝すべきでもあろう。

だがアメリカの占領政策で、日本の国民性は長い歴史の中で培われてきた優れて良かった部分の、何割かは失われてしまった。しかし戦後70数年後のいまから、優れて良かった日本の良さをもう一度取り戻していくしかない。これはとても重要だ。

 

   世界の国々はいろいろな問題を抱えている。日本の役割。
1,ロシアや中国北朝鮮のような権威主義国家では国民は発言の自由を封殺され、報道も厳しく監視・監督され、独裁者が戦争を始めたりこれから始めようとする国がある。

 

2,一方 米国は世界の国々すべてが民主主義になるようにとの理想から、長い間戦争を含めた活動をしてきたが、当の米国自身が、過度な個人主義の民主主義と、過剰な競争社会・競争経済が行きすぎで混乱しており、貧富の差が広がり国内が分裂気味である。
これまでのように、民主主義だけの看板では世界すべての国を納得させられない時代になっている。アメリカの勝手な民主主義の押しつけと思われているのだ。   
現にアメリカが多くの若い兵士の命と莫大な資金を投じて民主化しようとしたイラクアフガニスタンも民主主義国にはならなかったし、ベトナム戦争には負け、中東イスラム諸国はアメリカから離れようとしている。アメリカの理想を求めてのこのような民主主義化への行動は今、逆に世界からの評判を落とし、「すべてアメリカが悪い」と言われ。世界の警察の座を降りようとしており、世界のぬすびと国家は拍手喝采している。

3,ヨーロッパの先進国では交通機関をはじめ、お客の都合はそっちのけのストばかりやっている。ここも公や国より自分の主張が行きすぎだ。(民主主義の行きすぎ、限界)
そこに輪をかけて旧来からの市民を見習うように、市民権を得た移民の群れが過激で
犯罪的なデモを起こして混乱している。
民主主義の歴史が古くて長い国ほど被害者意識の個人主義が強まり、国民が自己中心になっている。あれもこれも 「何でも政府が悪い!」 というわけだ。日本もそういうところがあるが。
独裁国家の国民の方が自分の事は自分で守るしかないと思っている。政府は助けてくれないからだ。

4,アフリカ諸国や南米大陸、アジアの一部の国のように、過去の植民地支配国の犠牲になって今だに貧困や極度に多い犯罪、戦乱多発にあえぎ、難民が大量に発生する国も多い。そういう国の政治家は自分の都合で政治をする者も多く、賄賂がはびこり汚職が蔓延している国もある。 

5,中東アラブや北アフリカイスラム諸国は1500年も前にできたイスラム教の教えを 国家運営の規範としており、民主主義とは合わないし、多くの難民を排出している。


世界はそんな国だらけなのだから、日本国と日本人こそが日本の歴史で培ってもらった良き精神性や、過度な個人主義でない協調性、穏やかな宗教観、奥ゆかしい文化で世界をもっと平和で 安定した世界に方向づける資格をもっているのではないだろうか?
外国人が観光や留学、ビジネスで日本に住んだときの日本の治安・清潔・時間に正確、 オモテナシ精神、日本の心地よさ、など彼らが驚いた感想をよくネットで見る。
先のWBC優勝の感動の源も、長い日本歴史で先人から受け継いできた、日本人の精神性を選手や監督をはじめ関係者が強く持っていたからこそ成し遂げられていると思う。

日本の真の良さは日本人自身は案外 自覚していないかもしれないが、その国の国民性や文化は言わば国と国民のDNAであり、長い長い歴史のなかでのみ培われるものなのだ。
だから他国から侵略され続け、残酷な被害を受け続けた歴史の国ほど、いつの間にか  自らも侵略性と残酷性を持つ危険性がある。 仮にこのような国家が平和な国に変わるようなことが起きても、それが真に実行されるのは100年以上もの反省の歴史を経験した後、かもしれない。ソ連が崩壊した後のロシアは民主国家になったはずなのに30年後にはウクライナを侵略し残虐なことを平気でやっている。もう一度言う。     
その国の国民性や文化は、長い歴史のなかでのみ培われる。(DNAは簡単に変えられない)

 

平和憲法と日本人。
さて話を戻す。
「戦力を持たない」と記した平和憲法は日本国民に、「日本が戦後平和だったのは平和憲法のおかげだ」、という誤解を与えている。

だが先に述べたように、いつの時代も国レベルの盗人(ぬすびと)国家と指導者はいなくならないのだ。ロシアのウクライナ侵攻がそれを証明した。
ロシアのウクライナ侵略だけでなく、近い歴史の中でも、ウイグルチベット、モンゴルを我が物にした国も現にあるし、その国は世界制覇さえ考えている。
独裁者達は「偉大なる 中華帝国ロシア帝国、の復興」など自国の100年以上昔の歴史にこだわり歴史を昔に戻そうと夢見ており必然的に今の世界の秩序を壊す挑戦となる。

 

そういう世界情勢の中、「日本には平和憲法があるから戦争はできないし他国が攻めても来ない」 などは子供でも信じないのに日本人の中にはまだそういう大人も大勢いる。
自国を守る軍隊も要らない!というのは自国の中に警察はいらないというのと同じだ。
どの国でももし警察がいなければ、国内の犯罪蔓延・治安の混乱は想像さえできない。

 

話は飛ぶが1990年頃オウム真理教という宗教団体が、山梨県サリン製造工場を持ち地下鉄サリン事件をはじめ様々な犯罪を起こす。国家転覆さえ目的とした大事件だった。
地下鉄にサリンをまくような犯罪組織は、もし警察がいなかったら誰が取り締まるのか?国内と国際世界では話が違う。でも他国を侵略する国がありそれが犯罪的であれば同じと言える。


平和憲法アメリカの戦後占領政策の中で、日本に二度と戦争はさせないとか、一方的なある種の理想主義の中で、たまたま生まれてしまったのであって、自衛のためにも 軍隊を持たない、などはどの国も発想しないだろう。この憲法作成にかかわった、当時のアメリカの関係者の老人は、インタビューされた時、 「え!、まだあの憲法使っているの?」と言ったとか、(分かっていてわざわざ言ったのだろうが)

ウクライナがロシアに攻め込まれたので日本もこれを機に、国民や政治家の考えが    変わり始めたことは日本にとっては幸いなことである。戦後70年以上経ってやっと変わるのだ。しかしまだ自衛隊を軍隊として認める憲法改定は反対が多く、憲法改定ができないでいる。
70年以上も憲法を改定しない国は日本だけだそうだ。国を守るため憲法改定は急務だ。

私は昔よく、北朝鮮オウム真理教麻原彰晃が国家運営をしているような犯罪国家、と思った。日本人を何十人も拉致して返さない犯罪者なのだから。
日本には麻原彰晃を逮捕した警察がいたが、国際社会には金正恩を逮捕する警察がいないのだ。最近 国際刑事裁判所からプーチンに逮捕状が出たが、金正恩にも逮捕状を出してみてはどうだろう。実際には国家元首を逮捕するのは実現できないのだが。

他国を侵略する国とその指導者がいなくならない限り、国際社会は法の秩序が無い無法世界なのだ。プーチンは我々にそれを教えてくれた。自国を守るのは自分であり、国民一人一人が自分自身のことのみでなく、国家のこと、公(おおやけ)のことを大切に考える意識も必要であり、それが民主主義国家の国民の正しいあるべき姿なのだ。そのことこそ日本と日本人が先の敗戦も含めての、長い長い歴史で培われたものなのだ。                              
                             おわり。 2023年5月